ミャンマークーデター2年 告発者の資料から考える日本のODA
告発者の資料を読み解く中で
堀潤 Jun Hori
2023.02.02
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あの日から2年が経った。
2021年2月1日午後。私の携帯電話のメールに3分ほどの短い映像がメッセージと共に送られてきた。映像を再生すると、現場は薄暗い建物の中。数秒後、威圧的な声をあげながら軍服をきた兵士たちが、銃を握り締め土足で室内に次々と押し入ってきた。「大臣はどこだ?」「大臣を出せ」と女性たちを尋問。「ここにはいない」「外出している」と返事をすると、兵士たちはさらに奥の部屋を物色し始めた。映像は終始ローアングルで、兵士たちに気付かれないよう注意した隠し撮りだった。ミャンマーでこの日の未明に発生した軍のクーデターの様子を記録した現地映像だということがすぐにわかった。日本にいながら、現場の生々しさと暴力で歴史を歪める緊張感に、見ている私も身体が強張った。
映像を送ってきてくれたのは意外な人物だった。
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- 世界で深まる「分断」。それはミャンマーでも起きた
- 鎮圧ではなく虐殺 目を逸らしてはいけなかった2ヶ月間
- ミャンマー市民の声をどう伝えるのか?メディアの課題
- 私たちが知るべきミャンマーでのODA 告発者からの資料
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